29歳男性Tさんの恋愛コラム
彼女と初めて会ったのは、高校1年生の時でした。明るくカワいい女性で、学校の中でも一際目立つ存在。実は入学式で彼女を一目見た瞬間、僕はもう恋に落ちていました。とは言えクラスも違うので、なかなか話す機会がありません。
でも、2年生になってチャンスが訪れます。クラス替えがあり、何と同じクラスになったばかりか、隣同士の席になれたのです。それからは毎日話すようになり、次第に仲良くなりました。
その年のバレンタインデーがやってきました。僕は彼女からのラブレターとチョコレートを受け取りました。そうです。僕達はずっと両想いだったんです。
両想いだと分かったものの…
ただ、それまでは自然に接していたのに、両想いと分かった途端、僕はどうしていいか分らなくなってしまいました。一応自分も好きだという気持ちは伝えましたが、「付き合おう」の一言が言えませんでした。
その後も僕は相変わらず男友達とばかり遊んでいて、彼女とは恋人という関係にはならないまま卒業を迎えてしまいました。ずっと好きだったのに・・・。
大学生になっても連絡は取り合っていました。そのうち僕らには互いに別の恋人が出来ました。それでも彼女は彼氏と喧嘩すると、必ず僕に連絡してきます。そしてある時、こんなことを言われたのです。
「何で両想いだったのに、お互いに関係ない人と付き合ってるんだろうね。何で今一緒にいないんだろうね…」
今振り返ってみると、彼女がくれた最後のチャンスだった気がします。それでもまた僕はなぜか素直になれず、お茶を濁すような答えを返してしまいました。
今はもう何処で何をしているのかも分らない彼女。お互いに好きだったのに、僕の煮え切らない態度で進展しなかった恋。今でも、あの子に未練が残っている自分が、情けなくて仕方ありません。